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2024年05月 09
アメリカならではの事情…当せん者のバックボーンで分かる人類の歴史
池田(totoONE編集部)

世界のくじ事情



 アメリカのロトくじにおける高額当せんは、時として同国にさまざまな人種・民族が存在することを再認識させてくれます。

 4月上旬、オレゴン州ポートランドに住むチェン・サエファンさんという男性が『パワーボール』で13億ドル(約2010億1100万円)という超高額のジャックポット(大当たり)を引き当てます。彼は4月29日に記者会見に臨み、小切手のレプリカを受け取るとともに自身の出自について語りました。

 「私はラオスで生まれましたが、“ラオス人”ではありません。私は“ユーミエン族”なのです」

 サエファンさんはラオスで生まれ、1987年にタイへ渡った後、1994年にアメリカに移住したそうです。そして、1996年に高校を卒業してポートランドに住みながら、航空宇宙会社で機械工として働いていました。

 彼が語った“ユーミエン族”とは、中国南部から東南アジアに住む山岳民族です。ラオスに住むユーミエン族は自給自足生活の農耕生活を行っていましたが、ベトナム戦争の際にCIAとアメリカ軍にリクルートされ、ゲリラ戦に従事させられていました。

 当時のラオスは内戦状態にあったものの、1974年に内戦が終結。翌1975年には社会主義政権が樹立します。アメリカに加担していたユーミエン族は同政府から報復を受ける可能性があったため、タイに逃亡し、その多くがアメリカへ移住しました。サエファンさんもこの流れでラオスからタイに渡り、アメリカへと移住したのです。

 アメリカに移住したユーミエン族の人々は文化や言語の違いなどで適応に苦労しながら、現在は数万人が暮らしているそうです。サエファンさんが住むポートランドにもユーミエン族のコミュニティがあり、オレゴン州ユーミエン協会の会長を務めるケイル・ターン氏は、サエファンさんの当せんを次のように喜びました。

 「私たちの大半はわずかなお金しか持っていないので、彼の当せんには大きな意味があります。コミュニティのメンバーが成長し、繁栄していくのを見るのは非常に誇らしいことです」

 実はサエファンさん、8年前からガンを患っており、治療を続けているとのこと。「家族のために、そして自分の健康のために、最高のドクターを探したいです」と語っているそうです。

 さて、次回のBIGは第1452回です。約19億4100万円のキャリーオーバーが発生しており、高額当せんのチャンスがあります。皆さんもぜひチャレンジしてみてください。

注意:このコンテンツはtotoONE編集部の著作で制作しております。